【現役整体師が解説!】ストレートネックとは?原因・症状・改善方法を専門的に解説

健康
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スマホやパソコンを長時間使用することが日常化している現代、多くの人が「ストレートネック」に悩んでいます。

すえ先生
すえ先生

この記事では、ストレートネックの定義やその原因、日常生活への影響、そして改善方法について、専門的な視点も交えてわかりやすく説明します!

ストレートネックへの対策は、普段の姿勢や日常生活の見直しが最も大切です。
整体やカイロなどに通って改善するものではないので、適切な対策で首や肩の健康を守りましょう!

【ストレートネックとは?】

ストレートネックとは、首の骨である頸椎(けいつい)の自然なカーブが消失し、首がまっすぐになった状態のことを指します。

正常な頸椎は、前方に30~40度ほど湾曲しており、これが頭の重さを効率的に分散させています。

しかし、ストレートネックになると、頸椎の湾曲がなくなり、頭の重さが直接首や肩にかかりやすくなります。

頸椎だけでなく、背骨は全体的としてS字湾曲を持っています。
湾曲していることで、クッション性が高くなり、体の重さや地面からの衝撃を分散することが出来ます。

ストレートネックの主な特徴

すえ先生
すえ先生

ストレートネックの代表的な特徴は以下の3つです!

  1. 首の前湾が失われ、頸椎が直線状に近づく
  2. 首や肩に過度な負担がかかり、筋肉の緊張が増す
  3. 頭の位置が前方に突出する(いわゆる「前かがみ」姿勢)

このような特徴がある場合、ストレートネックといえます。
厳密には、整形外科などで頸椎のレントゲンを撮ることで診断されます。

【ストレートネックの原因は?】

すえ先生
すえ先生

ストレートネックは、以下のような現代的なライフスタイルや習慣が原因で引き起こされることが多くなっています。

1. スマホやパソコンの長時間使用

スマホやパソコンを使うとき、無意識に首を前に突き出してしまいがちです。
この毎日の習慣が少しずつストレートネックを作り出します。

特に、小学生・中学生・高校生といった、骨格が未成熟で姿勢が作られる時期には注意が必要です。

スマホを見る際に、顔を下に向けた状態(スマホ首)が長時間続くと、頸椎のカーブが崩れやすくなります。

2. 姿勢の悪さ

姿勢には、スマホやパソコンの長時間使用が大きく影響してきます。

スマホやパソコンの使用が習慣化すると、猫背や前かがみの姿勢になりやすく、首が自然と前に突き出て、頸椎が不自然な形で固定されてしまいます。

人間の体は、習慣に応じて骨格が変化するため、このような姿勢を続けると体に悪影響を及ぼします。

ストレートネックの方は多くの場合、頸椎以外の背骨の湾曲も乱れています。
代表的な姿勢の悪さは、「猫背」と「平背」です。

対照的な姿勢の悪さですが、どちらの姿勢でもストレートネックになります。

猫背:背中が丸くなり、肩が前に突き出た状態のこと。
平背:背骨の自然なS字カーブが失われ、背中が平らになってしまう状態のこと。

3. 筋肉のアンバランス

すえ先生
すえ先生

長い期間、姿勢の悪さが続くことによって、筋肉のアンバランスが生じます。

ストレートネックになってしまう方で多いパターンは、前側にある胸筋や胸鎖乳突筋筋肉などが短縮し、後ろ側にある僧帽筋や菱形筋などのが伸ばされた状態で硬くなります。

前後の筋肉のバランスが崩れ、筋肉が柔軟に動かなくなります。
その結果、首を正しい位置に保つことが難しくなり、ストレートネックになる可能性が高くなります

【ストレートネックの症状】

すえ先生
すえ先生

ストレートネックの症状は多岐にわたりますが、一般的には以下のようなものがあります。

  • 首や肩のコリ・痛み
  • 頭痛
  • 手や腕のしびれ
  • 睡眠障害

10代や20代の方でも、このような症状に苦しんでいる方は多く、簡単には改善できません。

首や肩のコリ・痛み

ストレートネックによって首や肩のコリ・痛みが起こる理由を説明します。

理由1,頭の重さの負担増加

すえ先生
すえ先生

頸椎がまっすぐになると、頭が前に傾きやすくなり、首や肩にかかる負担が増します。

先ほど説明したように、首が前に傾く角度が増すと、首や肩にかかる負荷が数倍に増え、筋肉が過労している状態になります。

頭の重さは成人で約4.5~5.5kgほどあり、首のカーブが失われることで、その負荷が以下のように増加します。

  • まっすぐな姿勢(0度): 頭が真上にあり、背骨が正しいカーブを維持している状態では、首にかかる負荷は頭の重さそのまま(約4.5~5.5kg)です。
  • 首が30度前に傾いた場合: 首への負荷は約18kgに増加します。
  • 首が60度前に傾いた場合: 首への負荷は約27kgに達します。これはかなりの重さであり、長時間この姿勢を維持すると首や肩に大きなダメージを与える可能性があります。

【負荷の増加する理由】
首が前に傾くと、頭の重さがそのまま前方にかかるため、首や肩、背中の筋肉がその重さを支えるために余分な力を必要とします。
これにより、首にかかるトルク(回転力)が増加し、首や肩に余分な負荷がかかります。

理由2,筋肉の緊張と疲労

すえ先生
すえ先生

頭の重さを支えるために、首や肩、背中の筋肉が常に緊張してしまいます。

僧帽筋や肩甲挙筋、板状筋、頭半棘筋といった筋肉が疲労し、普段から持続的に緊張しやすくなります。

この持続的な緊張が、肩コリや首の痛みを引き起こす原因になります。

筋肉の緊張には大きく2種類あります。
延長性の緊張:筋肉が伸びたままで長時間緊張し続けるとコリが発生する。
短縮性の緊張:筋肉が縮んだ状態で長時間緊張している場合にもコリやすくなります。

ストレートネックで多くの場合は、延長性の緊張によって首の後面に症状が出現します。
なぜなら、頭の重みを首後面の筋肉で引っ張って支えているからです。

理由3,血流の悪化

すえ先生
すえ先生

筋肉は、長時間の緊張や疲労によってコリができ、コリができると血流が悪化します。

血流が悪化することで、筋肉に十分な酸素や栄養が届かなくなり、さらにコリが悪化します。

筋肉のコリと血流の悪化は、悪循環を繰り返していきます。

筋肉に酸素や栄養を運ぶのは血液です。
そのため、血流が悪化することで、筋肉は酸欠や栄養不足の状態になり、コリが悪化します。

頭痛

ストレートネックに伴う頭痛は、首の付け根から後頭部にかけて鈍い痛みが広がることが多いです。

前述したように、首や肩の筋肉が緊張すると、血流が悪くなり、緊張性頭痛を引き起こすことがあります。

緊張性頭痛の特徴

  • 痛みの種類: 圧迫感や締め付けられるような痛みが特徴で、両側性(頭全体)に現れることが多い。片頭痛のような拍動性の痛みではなく、鈍く持続する痛みです。
  • 発作の頻度: 断続的に起こる一過性の頭痛から、慢性的に続くものまであります。短時間のものもあれば、数日続くこともあります。
  • 他の症状の有無: 緊張性頭痛では、片頭痛のような吐き気や視覚障害はほとんど見られません。

手や腕のしびれ

すえ先生
すえ先生

頸椎の問題と筋肉の問題から神経が圧迫され、手や腕の痺れが発生します。

ストレートネックでは、頸椎のバランスが崩れることで、首から腕にかけて伸びる神経(特に腕神経叢)が圧迫されることがあります。

また、首や肩周りの筋肉が過度に緊張することで、神経を圧迫することも手のしびれにつながります。

この神経の圧迫が、手や腕にしびれや痛み、感覚異常を引き起こします。

睡眠障害

すえ先生
すえ先生

ストレートネックが直接的・間接的に睡眠障害を引き起こすことがわかっており、首の健康を保つことが良質な睡眠を確保するために重要です!

前述したように、首や肩周りの筋肉に過度な負担がかかるため、筋肉が緊張しやすくなります。

この筋肉の緊張が就寝中にも解消されず、痛みや不快感として現れることで、寝つきが悪くなったり、夜中に目が覚めやすくなることがあります。

また、頸椎のカーブが正常でないため、仰向けや横向きなどの通常の睡眠姿勢が不快に感じることがあります。
これにより、睡眠の質が低下することがあります。

ストレートネックが悪化している方では、気道が狭くなり、いびきや無呼吸症候群などの呼吸障害を引き起こすリスクが高まります。
これらの呼吸障害が原因で、夜間に頻繁に目覚めたり、深い睡眠が妨げられることもあります。

【ストレートネックの改善方法】

ストレートネックは、日常の習慣を見直すことが1番大切です。

以下の方法を取り入れて、首や肩への負担を軽減しましょう。

1. 正しい姿勢を意識する

スマホを使用する際は、できるだけ顔を前に向け、首が前に突き出ないようにしましょう。

デスクワーク時には、椅子に深く座り、背筋を伸ばし、頭が背中の延長線上にくるように意識することが大切です。

モニターの高さを目線と同じに調整することで、前かがみの姿勢を防ぐことができます。

2. 適度なストレッチと運動

肩や首周りの筋肉をほぐすストレッチやエクササイズを日常的に行うことが、ストレートネックの改善には必要です。

特に、胸を開くストレッチや背骨を動かす運動は、姿勢を改善し、首の負担を減らします。

おすすめのストレッチ

短縮している胸筋や胸鎖乳突筋は以下のような方法でストレッチする必要があります。

この胸筋にストレッチは実際の患者さんにもおすすめしており、ストレッチした後は楽になる方が多いです。

「壁を使った胸筋のストレッチ」

朝・昼・夜、1日3回することを推奨します。

しかし、実際にストレッチを日常的に行うことが出来る方はわずかです。
ストレッチを継続できない理由でよく聞くのは、

すえ先生
すえ先生

時間がない」「めんどくさい」「忘れてしまう」です。

私も以前はそうだったので、気持ちはよくわかります。
しかし、ストレッチは必要です。では、どうしたら良いか?

「時短」「楽に出来る」「忘れない」という方法のストレッチをすれば問題は解決します!

その方法が「エクササイズポール(ヨガポール)」です。

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3~5分ほど仰向けに寝転がるだけで、簡単にストレッチされます。
また、部屋に「エクササイズポールがある」ということで、忘れることも少なくなります。

エクササイズポールの効果的な利用方法をご紹介します。

1. ポールの上に仰向けに寝る
  • 方法:エクササイズポールを床に縦に置き、頭から骨盤までがポールにしっかりと乗るように仰向けになります。両膝を立て、足は腰幅程度に開き、安定させます。
  • 目的:このポジションにより、胸を開きやすくし、背中全体をサポートするための安定した基盤が作られます。
2. 両腕を横に広げる
  • 方法:腕を肩の高さで左右に広げ、胸の前を開くようにリラックスさせます。腕が床に着くように意識しますが、無理に押し付ける必要はありません。
  • 効果:この動きによって、胸の前(大胸筋)が効果的に伸ばされ、肩や胸の緊張が和らぎます。姿勢改善にも役立ちます。
3. 呼吸を深く取り入れる
  • 方法:ゆっくりと深い呼吸を繰り返し、胸が開くのを感じます。息を吐くときにさらにリラックスし、肩甲骨が広がるように意識します。
  • 効果:リラックス効果があり、胸周りの柔軟性が高まります。
4. 腕の位置を変える
  • 方法:両腕を上下に動かし、さまざまな角度で胸筋を伸ばします。例えば、両腕を斜め45度に下げたり、逆に頭の上に持っていったりします。
  • 効果:胸筋の異なる部分が伸び、全体的な柔軟性が向上します。
ポイント
  • ゆっくりと動作を行うことが大切です。無理に伸ばそうとせず、心地よい程度にストレッチを続けましょう。
  • このエクササイズは、胸の柔軟性向上や猫背の改善、姿勢のリセットに効果的です。
すえ先生
すえ先生

特に大切なのは習慣化することです。
習慣化しやすく、しっかりストレッチできるエクササイズポールは本当におすすめです!

おすすめのエクササイズ

ストレートネックの方は、全身の背骨のアーチが崩れていることが多いため、背骨全体を動かすエクササイズも大切になります。

おすすめのエクササイズは「キャット&キャメル(キャット&ドッグ)」

骨盤から背骨全体を動かすことで、背骨のアーチを取り戻すことができます。

ゆっくりと呼吸に合わせて行い、10〜15回繰り返します。
無理なく行い、リラックスした状態で実施するのが重要です。

すえ先生
すえ先生

このエクササイズも習慣化して行うことが大切です!

3. スマホやパソコンの使用時間を制限する

スマホやパソコンの長時間使用は、ストレートネックの原因となるため、1時間に1回は休憩を取り、首や肩を軽く動かすことを習慣にしましょう。

わかっていても制限できない方は多いですが、本当にストレートネックをなんとかしたいなら、制限していくしかありません。
厳しいかもしれませんが、ここは本気度の問題です。

簡単な方法で大丈夫です。
例えば、首をゆっくり左右に回したり、肩を回して筋肉をリラックスさせることが効果的です。

同じ姿勢で20分以上いることで、筋肉は硬くなるといわれています。
そのため、本来は20分に1回は体を動かす必要がありますが、現実的には難しいと思います。
せめて1時間に1回は動かしましょう!

【まとめ】

すえ先生
すえ先生

ストレートネックは、現代の生活習慣が大きな原因となる症状ですが、日々の姿勢の改善や適切な運動、ケアを行うことで改善できる可能性があります。

しかし、急に良くなることはなく、基本的には長期間かかります。
最低でも1年以上はかけて、少しずつストレートネックを変化させていきましょう!

首や肩の健康を保つために、スマホやパソコンの使用時間を見直し、正しい姿勢を意識することが大切です。

また、症状が悪化している場合は、鍼灸や整体など専門的なサポートを受けることも検討しましょう。

体全体のバランスを整えることで、ストレートネックによる不快な症状から解放され、快適な生活を送ることができる可能性が高まります。

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