近年の健康志向の高まりとともに、「メタボリックシンドローム(メタボ)」のリスクを下げる生活習慣が注目されています。
そんな中、2025年3月に名古屋大学大学院生命農学研究科の小田裕昭准教授らの研究グループが、「朝食を抜き、活動量が少ないと内臓脂肪が蓄積しやすい」ことを発表しました。
本記事ではこの研究について紹介と、その結果から考えられる生活習慣の改善ポイントについて解説します。
名古屋大学の研究が示す「朝食抜き」と「不活動な生活」のリスク

従来の研究では、ぽっこりお腹の「内臓脂肪型肥満」のメカニズムは解明されていませんでした。今回の研究によって内臓脂肪が蓄積するメカニズムが明らかになりました。
“お腹ポッコリ”の原因は朝食欠食+不活動にあり 生活習慣と食べ方の改善がメタボ予防につながる!
研究の概要
本研究では、ラットを用いて「活動量を半減させたうえで朝食を抜く」実験が行われました。その結果、以下の点が明らかになりました。
この結果は、「食事のリズムと活動量の維持が、内臓脂肪の蓄積を防ぐ鍵となる」ことを示唆しています。
ぽっこりお腹の内臓脂肪型肥満を予防するためには、規則正しい生活で朝食を食べることと、日常生活での活動量を増やすことが大切です。

厳しい食事制限や特別な運動をしなくても、生活習慣によってメタボを予防できる可能性が示されています。
メタボリックシンドロームとは?
メタボリックシンドローム(メタボ)は、内臓脂肪が多く、生活習慣病のリスクが高い状態を指します。
以下の条件に当てはまるとメタボリックシンドロームと診断され、生活習慣の見直しが推奨されます。
メタボリックシンドロームの診断基準(日本)
必須条件 | 基準値 |
ウエスト周囲径(おへその高さ) | 男性:85cm以上 / 女性:90cm以上 |
判定項目(以下の3項目のうち2つ以上該当) | 基準値 |
脂質異常 | 中性脂肪(TG):150 mg/dL以上 または HDLコレステロール:40 mg/dL未満 |
高血圧 | 収縮期血圧(上):130 mmHg以上 または 拡張期血圧(下):85 mmHg以上 |
高血糖 | 空腹時血糖値:110 mg/dL以上 |
なぜ朝食が重要なのか?

朝食は夜間の絶食状態からエネルギー供給を再開し、代謝を活性化させる役割を担います。
朝食は体内時計を考慮した栄養学である「時間栄養学」の観点からも重要です。末梢時計遺伝子をリセットするために朝食は必須になります。
体内時計と代謝の関係
人間の体には「概日リズム(サーカディアンリズム)」と呼ばれる体内時計があり、食事のタイミングが代謝に大きく関係。
概日リズムは約24.2時間周期で体の働きを調整する生体リズムのことです。睡眠・覚醒・ホルモン分泌・体温調節などに影響を与えます。
概日リズムが崩れると、睡眠障害・肥満・メンタル不調のリスクが高まります。
【概日リズムのポイント】
要素 | 特徴・ポイント |
光 | 朝の光を浴びると体内時計がリセットされる。 |
睡眠 | 夜にメラトニン(睡眠ホルモン)が分泌され、眠気がくる。 |
ホルモン | 朝はコルチゾール(覚醒ホルモン)が増え、活動モードになる。 |
体温 | 昼に高く、夜に低くなるリズムがある。 |
食事 | 朝食をとると体内時計が整いやすい。 / 夜遅い食事は脂肪蓄積や血糖値の乱れを招く。 |
運動 | 朝や昼の運動は体内時計を整える。 / 夜の過度な運動は寝つきを悪くする。 |
朝食を抜くと内臓脂肪が増えやすい理由
朝食を抜くことで生じる影響を整理すると以下のようになります。
朝食は1日のエネルギー代謝をスムーズにするために不可欠です。
朝食を抜くことで「体重増加、筋肉量低下、脂肪増加」が起こるという名古屋大学の別の研究はこちらの記事で紹介しています。ぜひご覧ください。

生活習慣を見直すためのポイント

規則正しい食事習慣を身につける
- 朝食をしっかり摂る:たんぱく質・食物繊維・良質な脂質を含むバランスの良い朝食が理想。
- 食事の間隔を空けすぎない:長時間の空腹を避け、血糖値の安定を意識。
- 夜遅い食事は控える:就寝前の食事は脂肪蓄積を助長。
毎日の運動を取り入れる
- 朝に軽い運動をする:ウォーキングやストレッチで代謝を活性化。
- 座りっぱなしを避ける:1時間に1回は立ち上がり、軽いストレッチを行う。
- 筋トレと有酸素運動を組み合わせる:内臓脂肪の燃焼を促進。
質の高い睡眠を確保する
- 就寝・起床時間を一定にする:体内時計を整える。
- 寝る前のスマホやカフェインを控える:メラトニン分泌を妨げない。
- 睡眠時間をしっかり確保する:短時間睡眠は肥満リスクを高める。
まとめ

名古屋大学の研究が示したように、「朝食を抜き、不活動な生活」は内臓脂肪の蓄積を招きやすいことが分かりました。
日々の習慣を少しずつ改善することで、健康的な体を維持し、メタボリックシンドロームの予防につなげましょう。

最後までご覧いただきありがとうございます。
本記事が少しでも皆さまの参考になると嬉しい限りです!