生理痛のある日本人は78.5%と言われています。
当院にも、生理痛によるお悩みの方がよく来院します。
生理痛によって、仕事や日常生活などの質を落としてしまっている方も多く、鎮痛剤を使って乗り切っている方が大半です。
しかし、鎮痛剤が効かなくなってしまったり、もっと根本的な方法を探して鍼灸を受けに来てくださいます。
そのような方々のお悩みをいち早く解消するべく、セルフケアもお伝えしています。
その中でも、最新の研究結果によるエビデンスがあり、比較的簡単に取り組める運動がありますのでご紹介させていただきます。
その場しのぎではなく生理痛を和らげるために根本的な方法を取り組みたい!という方は、ぜひ最後までご覧ください。
早速、おすすめの運動をご紹介
結論からいうと、
骨盤底筋群トレーニングがおすすめ!
骨盤底筋群とは、骨盤の底(恥骨、尾骨および坐骨の間)に位置する筋肉の総称です。
骨盤内にある子宮・膣・膀胱・尿道・直腸といった臓器をハンモックのように支えて正しい位置に保つことや、尿道を締めることで尿漏れを防ぐなど、重要な役割を担っています。
特に女性は、妊娠や出産、加齢により、骨盤底筋の力が弱くなりやすく、積極的なトレーニングが推奨されます。
一般的には、尿漏れを防ぐためのセルフケアとして行われることが多く、「膣トレ」と呼ばれることもあります。
骨盤底筋群トレーニングのやり方
では、実際にどのようにしてトレーニングをするか?
こちらの論文で紹介されていたトレーニング方法は、
仰向けで膝を立て、45度程度に開き、膣を締めて引き上げるように「6秒間力を入れて保持→2秒休憩→3回素早く力を入れる→6秒休憩」これを8セット実施するというものでした。
この他にも骨盤底筋群を鍛えるトレーニング方法はありますが、上記のような方法が一般的です。
継続していくことで変化するトレーニングでもありますので、すぐに変わることを求めず地道に頑張りましょう。
骨盤底筋群は、腹横筋や横隔膜という筋肉ととも使うことで効率よく鍛えられることから、「ドローイン」を併用して行うことを私は患者様におすすめしています。
ドローインをすることにより、ウエストの引き締めや腰痛予防など様々なメリットがあります。
また、生理痛が出ているときは痛みや体調の悪さからトレーニングを実施することが難しいことが考えられます。
そのため、予防的に生理の前後にトレーニングしておくことがおすすめです。
実際にトレーニングをする際は、最初だけでもプロの指導を受けるのがおすすめです。
お家で出来るオンラインサービスも有効活用できると良いですね。
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なぜ骨盤底筋群トレーニングが生理痛に良いか?
なぜ骨盤底筋群トレーニングが生理痛に良いかというと、
子宮への血液循環が向上するから!
完全に解明された訳ではありませんが、生理痛が起こる有力な説は、「子宮内膜から放出されるプロスタグランジンの量が増え、子宮の筋肉が過剰に収縮して虚血状態になる」というものです。
この「虚血状態」から子宮への血液循環を戻すことが大切です。
それを自分で無理なく行えるのが、骨盤底筋群トレーニングという訳です。
生理痛に対して一般的に行われるその他のセルフケア
他に生理痛に対して一般的に行われるセルフケアとしては、以下のようなものがあげられます。
- 安静にする
- 鎮痛薬の服用
- 温める
- ツボ押し
しかし、仕事や学校、家事、育児などのある方々にとって「安静にする」というのは難しく、仕事を生理休暇で休めてとしても、毎月毎月休むのは現実的ではありません。
休めるなら休みたい。だけど休めない。という方が大半ではないかと思われます。
また、鎮痛剤については前述した通り効きにくくなってしまったり、その場しのぎの方法になってしまします。
さらに、長期的な鎮痛剤の使用により胃腸の状態が悪くなってしまうことも少なくありません。
温める、ツボ押し、というのも血行を良くするためには良い方法だと考えられますが、実際に楽になるかどうかは個人差が大きいです。
気休め程度にしかならない、という方が多いのが現状です。
生理痛と生活の質に関する研究結果
広島大学の「生理痛と生活の質」に関する研究結果もご紹介いたします。
生理痛のある471名の方の生活の質との関係などを調べた2023年の研究です。
結論としては、「生理痛が重度な方ほど生活の質が低下している」ということでした。
生理痛への悩みが深い人ほど、生活の質にも注意が必要です。
まとめ
以上のことから、生理痛に対するセルフケアでは「骨盤底筋群トレーニング」をおすすめします。
日ごろからトレーニングしていくことで、生理痛の緩和が見込まれますので是非お試しください。
最後までご覧いただきありがとうございました。
少しでもこの記事がお役に立つと嬉しい限りです!