ハーバード大学の研究結果と糖質制限ダイエットの危険性

健康
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ダイエットのために糖質制限を始めようかな、と考えている方は少なくないと思います。
しかし、安易に糖質制限ダイエットを始めてしまうと痛い目に合うかもしれません。

糖質制限ダイエットを完全に否定するつもりはありませんが、やり方を間違えてしまうと健康被害にも繋がります。
是非一度、この記事を読んでから糖質制限を始めるかどうか、考えてみてください。

ハーバード大学での大規模・長期間に渡る研究を中心に、糖質制限ダイエットについてご紹介していきます。

ハーバード大学の研究結果

早速、ハーバード大学での研究結果を簡単に紹介しますと、

「炭水化物の摂取量が多すぎても少なすぎても死亡リスクが増加する」ということでした。

具体的には、炭水化物のエネルギー割合が

・「40%未満」と「70%以上」では死亡リスクが増加
・「50~55%」が最も死亡率が低かった、

ということです。

この研究は、約10万人、20~26年間という大規模な長期間調査によるものであり、この研究以外では長期間の研究はほとんどないようです。

糖質を過剰に摂取してしまっている方にとって、適切に糖質を制限することはダイエットと健康面でのメリットになります。

しかし、極端な糖質制限を行うことによるデメリットは多く存在しますので、どちらについてもご紹介していきます。

また、ダイエットについてのおすすめの方法はこちらの記事にあります。
私自身が‐12.4kgのダイエットを停滞やリバウンドなく成功させた方法です。

糖質制限ダイエットについて

ご存知の方も多いと思いますが、糖質制限ダイエットについて説明していきます。

文字通り「糖質を制限することで体重を減少させる」ことです。
もともとは糖尿病を治療するための食事療法として考案されました。

*糖質は、お米やパン、パスタなどの炭水化物の中で食物繊維を除いたものを言います。
炭水化物=糖質+食物繊維

糖質を制限する代わりに、たんぱく質や脂質に制限はなく、いくら食べてもOKということになります。
お腹いっぱい食べることができて、細かい計算もしなくてよい、ということでカロリー制限よりハードルが低く感じられ、実践する方も多い印象です。

糖質制限ダイエットを普及させたのは、アメリカの医師であるロバート・C・アトキンス氏です。
*アトキンス氏については詳しくは気になる方はこちらをご覧ください。

アトキンス・ダイエットと呼ばれる、かなり極端な糖質制限ダイエットを提唱・実践してアメリカでブームを引き起こしました。
しかし、アトキンス氏ご本人が亡くなられた際、体重116kg・BMI35.8(身長180cm)の肥満状態で心臓病を患っていたと報道されています。(ご家族は反論をされたようですが…)

スーパーやコンビニなどで糖質制限を推奨する製品も多く、取り組みやすい反面、デメリットもあります。

メリットとデメリットをご紹介していきます。

糖質制限ダイエットのメリット

メリットは3つ

  • 簡単
  • 一時的には痩せられる
  • むくみが取れる

1つずつ解説していきます。

簡単

糖質制限ダイエットでは、糖質だけ制限すれば良いので、カロリー制限のような細かい計算をする必要がありません。

スーパーやコンビニなどに行くと、糖質制限を意識して作られている商品も少なくないため、生活に取り入れやすくなっています。

また、たんぱく質や脂質は制限する必要がなく、お肉や魚、炒め物、揚げ物、スイーツなども食べることができ、満足感のある食事を摂ることができます

そのため、比較的簡単に取り組みやすいダイエット方法と言えるでしょう。

一時的には痩せられる

糖質制限ダイエットでは、一時的には痩せることが出来ます。
その理由は大きく考えて3つあります。

①体内にある中性脂肪がエネルギー源として利用されます。
糖質制限により、体の中で主なエネルギー源である糖が不足すると、体内に蓄積されていた中性脂肪が分解され、糖に変換されることでエネルギー源として利用されます。
その結果、脂肪の減少につながり痩せることが出来ます。

②血糖値の上昇が抑えられます。
糖質を摂取して血糖値が上昇すると、インスリンというホルモンが分泌されます。
糖質制限をすることで食後の血糖値上昇が抑えられるため、インスリンの分泌も抑制されます。
インスリンは、血糖値を下げるために血液中の糖を脂肪細胞に取り込み、中性脂肪に変換するよう命令を出すホルモンです。
つまり、糖質制限によりインスリンの分泌量が少なくなれば、糖が脂肪に変換される量も減り、太りにくくなります。

③水分の減少
後述しますが、水分が減りむくみが取れることで、その分の体重が減少します。
糖質制限を始めてすぐに体重が落ちる理由の大半がこの水分減少です。

これらの理由から糖質制限によって痩せることが出来ると考えられます。
しかし、それは「一時的」という条件付きです。
デメリットの部分で解説していきます。

むくみが取れる

糖質には水分がくっつく性質があります。
糖質1gにつき水分が3gくっつきます。

糖質を制限することでくっつく水分が減るため、その分むくみが減少します。
むくみが気になる方は少なくないため嬉しい効果ですが、糖質制限をしすぎると、むくみが取れるだけではなく、お肌の潤いまで失う可能性があります。

糖質制限ダイエットのデメリット

デメリットは5つ

  • リバウンドしやすい
  • 糖尿病のリスクが上がる
  • お肌がカサカサになる
  • 便秘になりやすい
  • 体調を崩しやすい

1つずつ解説していきます。

リバウンドしやすい

ある調査では、ダイエット経験のある方の73.4%もの方がリバウンドを経験したことがあると回答しています。
*調査対象者:日本在住20~40代の女性、ダイエット経験者、1055人

その中でも、糖質制限ダイエットはリバウンドのリスクが高く、サルコペニア肥満という状態になりやすいと考えられます。

サルコペニア肥満
「筋肉量が減ってしまい体脂肪の割合が増えている肥満のこと」です。
食事制限を中心としたダイエットとリバウンドを繰り返すことで若い人にも起こります。
筋肉量の低下により代謝が低下するため、痩せにくくなります。

リバウンドのリスクが高くなる要因は、次で説明している「糖質代謝の低下」です。

糖尿病のリスクが上がる

長期間の糖質制限により、「糖質代謝」という機能が低下します。
糖質代謝とは、摂取した糖質を処理する能力のことです。

この能力が低下してしまうと、少量の糖質を摂取しても血糖値が急上昇してしまう可能性があります。
メリットで説明した通り、短期的には血糖値の上昇が抑えられますが、長期的には反対のことが起きてしまいます。

血糖値の急上昇が起きるということは、長期間の糖質制限によって肥満や糖尿病のリスクが上がります。
糖質が悪いと言う訳ではなく、糖質代謝が出来ない身体の機能低下が起きているということです。

糖尿病の治療や予防のために糖質制限をしたい場合は、必ず医療機関に相談してから行いましょう。
民間資格者やインフルエンサーの指示のもと行う方も増えていますが、危険ですのでおすすめできません。

お肌がカサカサになる

メリットの部分で「むくみが取れる」と書いた通り、糖質制限をすることで水分量が減少します。
しかし、糖質制限を続けることで、お肌の水分まで少なくなりカサカサになってしまう可能性があります。

次で説明している「便秘になりやすい」ことも関連してきます。

便秘になりやすい

糖質制限をすると、水分と食物繊維が不足しやすくなります。
また、たんぱく質の摂取量が増えることで、腸内細菌の悪玉菌が活性化することや消化・吸収に時間がかかり胃腸に負担がかかります。

その結果、腸内環境が悪化し便秘が起こります。
便秘は肌荒れにも深く関わってくるため、美容面でも大きなデメリットになります。

体調を崩しやすい

糖質制限をすることで、「低血糖」状態に陥りやすくなります。
「低血糖」とは、血液中のブドウ糖濃度(血糖値)が低くなった状態のことを言います。

低血糖の初期症状として以下のようなものがあります。

・頭痛
・ボーっとする
・気持ち悪くなる
・慢性的な疲労
・思考力の低下
・イライラしやすい  など

低血糖の初期では、下がっている血糖値を上げようとしてアドレナリンやグルカゴンというホルモンが分泌され、このような症状が起きてしまいます。

ダイエットのために頑張って耐える方もいますが、このような症状が出ている時は早めの対処が必要です。

糖質制限するなら「ゆるく」

ダイエットのために厳しい糖質制限をする必要はありません。

デメリットが多く、健康を害してしまう可能性が低くないことと、他の方法で痩せることが出来るからです。
*私が12.4kgダイエットした方法はこちらの記事からご覧になれます。

しかし、糖質を過剰に摂取してしまっている方が、「ゆるい」糖質制限をするのは良いと思います。
前述したハーバード大学の研究では、炭水化物は「エネルギー割合50~55%」が健康に良いとされています。

「エネルギー割合50~55%」と言われても、自分自身がどのくらい摂取しているか分からない方が多いと思います。
そのため、まずは食事管理のアプリなどを活用し、普段の食事から摂取している炭水化物のエネルギー割合を把握しましょう。
その上で、55%を超えている場合は55%以内になるように制限していきます。

私は「マイフィットネスパル」を無料の範囲で使っています。

また、糖質を摂る際は出来れば「低GI食品」または「低GL食品」を摂るようにしましょう。
それぞれ簡単に説明していきます。

GI(グリセミック・インデックス)

食後の血糖値の上昇を示す指標。
ブドウ糖の100に対して、GI値70以上が高GI食品、GI値56~69が中GI食品、GI値55以下が低GI食品となります。
GI値が低いほど血糖値の上昇が緩やかで、太りにくい食品です。

GL(グリセミック・ロード)

一般的な量の炭水化物を摂ったときの血糖値の上昇スピードの値。
GI値より実用的に使えるということから注目されています。
GL値21以上が高GL食品、 GL値10~20が中GL食品、GL値9以下が低GL食品となります。
こちらも、GL値が低い方が太りにくい食品です。

「糖質=悪」ではなく、なにをどのくらい摂るかが重要です。
私自身の体感としても、高GI食品より低GI食品のほうが腹持ちも良く、栄養価の高いものが多いのでおすすめです。

まとめ

ハーバード大学の研究結果からもわかるように、

糖質を制限しすぎることも摂りすぎることも健康面ではよくありません。

また、ダイエットの効果を考えても厳しい糖質制限を選択する必要はないと思います。

気軽に始められる方法だからこそ、危険が潜んでいます。
ご自身の健康資産を守るためにも、ぜひご注意ください!

最後までご覧いただき、ありがとうございました!

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