健康的なお肌の表面は「弱酸性」であることをご存じでしょうか。
聞いたことある!という方は少なくないと思います。
しかし、なぜ弱酸性が良いのか?それを知っている人はあまり多くありません。
今回はその理由をご紹介していきます!
お肌のpH
pHとは、酸性・中性・アルカリ性に分類する尺度のことです。
理科の授業でリトマス試験紙を使って色の違いを見たアレですね。
健康的なお肌のpHは、「4.5~6.0」の弱酸性になっており、弱酸性に保たれることでお肌の健康が守られる仕組みになっています。
そのため、素肌美人になるためには弱酸性でいることが大切です。
「弱酸性」のメリット
お肌が弱酸性であることで、皮膚に炎症を起こす菌が繁殖しづらく、お肌の潤いを保つことが出来ます。
それにより、ニキビや肌荒れなどが起きづらく、お肌のバリア機能が正常にはたらきます。
「アルカリ性に近い」場合は、菌がお肌の表面に繁殖しやすく、乾燥も招いてしまします。
そのため、ニキビや肌荒れ、赤み、かゆみといった症状の要因なります。
乾燥肌や敏感肌、アトピー性皮膚炎などの方は、アルカリ性に傾きやすい状態であるため、正しいスキンケアと食事や生活習慣を整える必要があります。
弱酸性を保つポイント
健康的なお肌の状態である弱酸性のためには以下の2つのポイントが大切です。
- 皮脂膜
- 皮膚常在菌
それぞれ説明していきます。
皮脂膜
皮脂膜は、皮膚表面を覆う天然の皮膚を保護する膜のことです。
皮脂や汗、角質成分などが混ざり合いpH4.5~6.0の弱酸性を作り出しています。
皮脂膜の主な役割は以下の通りです。
- 肌の水分蒸散を防ぎ、弾力性や柔軟性を保つ。
- 雑菌やアレルギー物質などの外的刺激から守る。
- アルカリ中和能をもち、肌を弱酸性にキープする。
皮脂膜によって、肌の「バリア機能」が正常に機能します。
バリア機能があることで、体内の水分蒸発を防いだり、化学物質や大気汚染などの皮膚にとっての異物となるものの侵入を防ぎ、肌を健康で美しい状態に保つことでができます。
バリア機能には、他にもNMFという天然保湿因子や細胞間脂質というものが関わっています。
皮脂膜の機能を保つ方法
皮脂膜の機能を保つためには以下の点に注意が必要です。
- 清潔にする。(朝と夜の洗顔は必要)
- 過剰な洗顔や刺激の強い洗顔料は避ける。(石けんなどはアルカリ性で刺激が強い)
- スキンケアによる摩擦を避ける。
- 乾燥を予防する。
皮膚常在菌
皮膚表面や毛穴の中には、約20種類、数百億個もの「常在菌」が生息しています。
この常在菌は「雑菌」として見過ごされがちですが、実は皮膚を守る良い働きをしているものが多いため、大切にする必要があります。
以下の3つ菌をそれぞれ説明していきます。
- 表皮ブドウ球菌
- アクネ桿菌
- 黄色ブドウ球菌
表皮ブドウ球菌
表皮ブドウ球菌は「美肌菌」とも呼ばれる良い働きをする菌です。
汗や皮脂を餌にして「グリセリン」や「脂肪酸」を作り出し、どちらも肌を守る大切な役割を担っています。
- グリセリン:皮膚のバリア機能を保つ役割があります。
- 脂肪酸:肌を弱酸性に保ち抗菌ペプチドを作り出すことで、肌荒れやアトピー性皮膚炎を引き起こす黄色ブドウ球菌の増殖を防ぎます。
表皮ブドウ球菌を減らさない方法
表皮ブドウ球菌は角質層に存在しているため、無理に角質を落とすような行為をすると減ってしまします。
例えば、長時間の入浴や頻回の洗顔、洗顔料の過剰使用などです。
表皮ブドウ球菌を減らさないように保つことは、アルカリを好む病原性の強い黄色ブドウ球菌や真菌などの繁殖を防ぐことにつながり、皮膚のバリア機能を保つ意味でとても重要です。
また、乾燥すると表皮ブドウ球菌が棲みにくく皮膚はアルカリ性に傾いてしまうため、保湿はしっかりとすることが大切です。
アクネ桿菌
ニキビの原因として知られていますが、実際は全ての人の皮膚に存在しています。
プロピオン酸や脂肪酸を生成し、肌を弱酸性に保つことで病原性の強い細菌の増殖を抑える役割をもっています。
一般的に「ニキビの原因」と考えられていますが、増殖しなければニキビの原因菌になりません。
皮脂の分泌量が増えたり、何かの異常で毛穴をふさいだりすると、アクネ桿菌が過剰に増殖し炎症を引き起こしてニキビになります。
黄色ブドウ球菌
存在しているだけでは問題がありませんが、皮膚がアルカリ性に傾くと増殖して皮膚炎などを引き起こしてしまい、かゆみや肌荒れ、アトピー性皮膚炎の原因ともなります。
通常は、皮膚環境に適した細菌群がほぼ安定した割合で存在しています。
皮膚常在菌が安定したバランスの時は、皮膚の病原菌の侵入を抑え、皮膚のバリア機能を保つことで、皮膚刺激から肌を守るなどの役割を担ってくれます。
しかし、この常在菌のバランスが崩れてしまうと、肌の抵抗力が弱まり、通常無害である菌によって、炎症や発疹などの皮膚トラブル発展します。
そのため、バランスを壊さないように常在菌と上手に生活することと、「美肌菌」である表皮ブドウ球菌を減らさないようにすることが大切です。
アルカリ肌さん
洗顔した直後の肌や汗をかいた肌は、一時的にアルカリ性に傾きますが、皮脂膜による「アルカリ中和能」がはたらくことでアルカリ性から弱酸性に戻り、肌は弱酸性に保たれます。
しかし、敏感肌や乾燥肌の場合は、この「アルカリ中和能」のはたらきが弱いことや、元からアルカリ性に傾きやすい状態になっています。
そのため、肌が弱酸性に戻りにくく、肌のpHバランスが乱れやすくなります。
前述したように、肌のpHバランスが乱れアルカリ性に傾いてしまうと、皮膚常在菌のバランスも崩れてしまい、ニキビや肌荒れ、赤み、かゆみといった症状の原因になることがあります。
アルカリ肌さんのスキンケアポイント
お肌が弱酸性ではなく、アルカリ性に傾いてしまっている場合は特にスキンケアでの注意が必要です。
主なポイントは以下の通りです。
- 低刺激性の洗顔料やクレンジング料を使用する。(せっけんは基本NG)
- 弱酸性の化粧品を使う。できればノンアルコールや無添加の商品。
- 正しくしっかり保湿する。(オイル系の保湿は基本NG)
- 摩擦を極力避ける。
まとめ
いかがでしたでしょうか?
素肌美人にはかかせないお肌の「弱酸性」についてご紹介しました。
肌トラブルに悩まされている方は、「pH」を意識してスキンケアに取り組むと良いかもしれません。
少しでもお悩み解消の一助になると嬉しいです。
最後までご覧いただき、ありがとうございました!