睡眠にお悩みのあるこんな方におすすめの記事です。
- 寝ても疲れが取れない。
- 毎日のように夢をみる。
- 夜中や早朝に起きてしまう。
- 寝起きが悪い。
- 出来るだけ薬は使いたくない。
- なるべく自然な方法で睡眠の質を良くしたい。
そんなお悩みを持つ方に向けて「睡眠の質を上げる方法」をご紹介します!
まずは結論!
生活習慣を「変える」ことで睡眠の質は上がります!
まず現状の生活習慣を「変える」ということが大切です。
睡眠でお悩みをお持ちの方は、すでに良い生活習慣をするように心がけていると思います。
しかし、頑張って調べた「良い生活習慣」を実践しているのに睡眠の質が低い状態の方は、今一度見直してみるべきです。
良いと思い込んでしまっていたその方法が、実は合わないのかもしれません。
睡眠の質を上げる方法~1日の流れに沿って~
ここからは具体的に睡眠の質を上げるために有効な方法をご紹介します。
日常生活に取り入れやすいよう、1日の流れに沿って紹介していきます。
朝の過ごし方
睡眠の質を上げるためには、朝がとにかく重要です。
大きなポイントは2つ。
- 朝日を浴びる
- 朝食を食べる
どちらも大きく関係しているため、合わせて説明していきます。
朝日を浴びる・朝食を食べる
朝日を浴びることで体内時計のリズムを司る時計遺伝子がリセットされます!
人間の概日リズムは約25時間になっていて、これに従って生活すると2週間もしないうちに昼と夜が逆転しそうですが、時計遺伝子がリセットされることで実際にはそうなりません。
時計遺伝子には、大きく分けて「中枢時計遺伝子」と「末梢時計遺伝子」があり、朝日を浴びることで中枢時計遺伝子がリセットされ、朝食を食べることで末梢時計遺伝子がリセットされます。
要点を抑えてもう少し詳しく説明していきます。
中枢時計遺伝子
- 脳の視床下部の視交叉上核というところにあり、身体全体の細胞に働きかけて機能をコントロールしている。
- 朝日の光が目から中枢時計遺伝子に伝わり、概日リズムが24時間にリセットされる。
- 理想は、太陽光を30分以上直接浴びる。
末梢時計遺伝子
- 全身の細胞にあり、それぞれ独自のリズムを刻んでいる。
- 体内にあるため朝日を浴びて反応することはできない。
- バランスの取れた朝食を食べることで概日リズムが24時間にリセットされる。
重要なのは、中枢時計遺伝子と末梢時計遺伝子を同時にスタートさせること!
そのためには、起床後2時間以内にバランスの取れた朝食を食べることが必要です。
パンとコーヒー、ふりかけご飯だけ、などでは末梢時計遺伝子は反応してくれません。
しかし、完全にバランスの取れた理想の朝食を毎朝食べるのは難しいと思います。
時計遺伝子や後述するセロトニンは、たんぱく質で出来ているため、たんぱく質だけでも意識して食べるように心がけましょう。
焼き魚や納豆、卵焼きなど、日常生活に継続して取り入れることができるものがおすすめです。
「セロトニン」と「メラトニン」
また、朝日を浴びることで、「セロトニン」という物質の分泌が促されます。
このセロトニンは、「メラトニン」という睡眠の質を上げるために重要な物質と大きく関わっています。
*セロトニンもメラトニンも、ホルモンと間違えられることが多いですが、神経伝達物質という脳内の細胞で情報交換を行う化学物質です。
セロトニン自体も大切な物質ですが、今回は睡眠に関係深い「メラトニン」を中心に説明していきます。
メラトニン
メラトニンは「熟睡を促すホルモン」!
睡眠に最適な状態に身体を整え、睡眠の質を上げてくれます。
メラトニンは、朝セロトニンが分泌されてから13〜16時間ほど経過すると、セロトニンを原料にして合成・分泌されます。
例えば、朝7時に起床して朝日を浴びると、夜の8時~11時頃にかけてメラトニンの分泌量が増えてくるということです。
夜に向けて徐々にメラトニンの分泌が高まることで、深部体温が低下して眠気を感じるようになります。
メラトニンの合成・分泌には、セロトニンの存在が不可欠なので、まずは朝にセロトニンを分泌をしっかりと促せるような習慣が重要になります。
セロトニンの分泌量が少ないとメラトニンの分泌量も少なくなってしまう可能性が高まります。
セロトニンの分泌を促す朝の習慣は、「朝日を浴びる」ということです。
理想は外で10~30分ほど直接浴びることなので、朝のウオーキングはおすすめです。
特に日本人は、セロトニンが最も不足しやすい人種と言われているため、ぜひ積極的に行いましょう。
ちなみに、朝食を食べない人は体重が増えることや筋肉量が低下することで、メタボリックシンドロームやロコモティブシンドロームのリスクが増加することが名古屋大学の研究で分かっています。
太りたくないから朝食を抜いている、という方は心配せず朝食を食べて大丈夫です。
日中の過ごし方
日中の過ごし方にの注意点は以下の3つ
- 腸内環境を悪くしないランチ
- 昼寝は30分以内
- カフェインは15時まで
それぞれ説明していきます。
腸内環境を悪くしないランチ
前述したセロトニンは、たんぱく質を構成するアミノ酸の一種である「トリプトファン」というものから作られるのですが、このとき「ビタミンB6」が必要になります。
ビタミンB6は、食事やサプリなどの食品から摂取することもできますが、腸内細菌が合成するルートが主な供給源です。
そのため、腸内環境が悪いとトリプトファンの吸収が悪くなってしまうことやビタミンB6の供給が少なくなってしまい、セロトニンが合成されづらくなってしまいます。
ランチで食べがちな外食やコンビニ飯、カップラーメンなどは腸内環境を悪くすることが多いので、良く選んで食べるべきでしょう。
「第2の脳」と呼ばれる腸の環境が悪くなると健康面でのダメージは大きいので注意しましょう。
体内にあるセロトニンのうち90%は腸内にあるため、腸内のセロトニンが脳に運ばれるといわれることがありますが、腸内のセロトニンは脳血液関門という脳のバリア機能を通過できません。
昼寝は30分以内
体内時計と昼食の影響で、14~16時頃は眠くなるようになっています。
しかし、15時以降の昼寝や30分以上の昼寝は、夜の睡眠に影響して寝つきを悪くするので避けましょう。
パワーナップ(積極的仮眠)として、疲労回復や作業効率アップ、ストレス軽減などのために昼寝をする場合も15分~30分がおすすめです。
昼寝は「15時までに30分以内」と覚えておきましょう!
カフェインは15時まで
カフェインを摂らないようにしている方は大丈夫ですが、コーヒーやお茶(緑茶・紅茶・ほうじ茶など)、エナジードリンクなどでカフェインを摂取している方はご注意ください。
カフェインの効果というのは、思っている以上に持続性があります。
所説ありますが、カフェインの摂取後30分~2時間ほどで効果が最大となると言われています。
そして、その効果が半分になるまでは2時間~8時間ほどかかります。
長い人だとカフェインの効果が半分になるまでに8時間かかるということは、15時にカフェインを摂取すると23時まで効果が半分ほど残るということです。
カフェインの影響を受けやすいと感じている方は、カフェインは「15時まで」と門限を決めたほうが良いですね。
カフェインの効果が出始めるまで30分程度かかることを利用して、昼寝の前にコーヒーを飲む「コーヒーナップ」という方法をする方もいます。
昼寝を30分以内に切り上げやすくなるので効率的な方法ですね。
仕事後~夜までの過ごし方
続いて、仕事終わり~夜までの過ごし方です。
ここでのポイントは以下の3つ
- 帰宅時に寝ない
- 筋トレ
- 就寝3時間前に飲食物は終了
- 湯船につかる
それぞれ説明していきます。
帰宅時に寝ない
仕事が終わって疲れて帰宅する際に、電車やバスで通勤している方は眠くなってしまうことがあると思います。しかし、、、
このタイミングで寝てしまうと夜の睡眠の質が低下します!
夜の睡眠の質を上げて1日の疲れをしっかりとるためにも、寝てしまわないように注意しましょう。
筋トレ
睡眠の質を上げるためには筋トレが効果的です!
ウオーキングなどの有酸素運動をされている方もいるかもしれませんが、睡眠の質を上げるためには筋トレのほうが効果が高いという研究結果があります。
筋トレと睡眠に関する13もの研究報告をまとめたシステマティックレビューが2017年にカナダのマックマスター大学から発表されています。
*システマティックレビュー:ランダム化比較試験などの質の高い複数の臨床研究を複数の専門家や研究者が作成者となり、一定の基準と一定の方法に基づいてとりまとめた総説のこと。
とても簡単にまとめてしまうと、、、
「週3回以上の高い負荷による筋トレで睡眠の質が上がる」
ということでした。
また、筋トレをすることで不安を解消しやすくなることもわかっています。
寝る前に考え事をして寝付けないという方にもおすすめです!
ただし、寝る直前に筋トレをすると心身ともに興奮状態になるので、3時間前までに行うようご注意ください。
自宅で筋トレする場合は、器具を使うやり方やオンラインレッスンが継続しやすくなります。
なにも使わなくても筋トレをすることは出来ますが、継続することがとても難しいで活用することも検討してみてください。
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就寝3時間前に飲食物は終了
食べ物が胃に滞在する時間は、平均して2~3時間ほどです。
お肉や天ぷらなど脂肪分の多い食べものは4~5時間ほどかかります。
寝る時に胃に食べ物が残っていると、睡眠の質が低下してしまいます!
そのため、少なくとも3時間前までには夕食を食べ終え、歯を磨いて飲食物を摂らないようにしましょう。
湯船につかる
お風呂をシャワーだけで済ましているという方は、湯船につかりましょう。
湯船につかる目的は、身体を綺麗にするためだけではなく、身体と心をリラックスモードにするためです。
また、湯船につかり一時的に体温が高まった後に体温が下がることでスムーズな入眠に繋がります。
湯船には、38~40℃のぬるめのお湯で20~30分がおすすめ。
尚且つ、就寝の1~2時間前までに入れると良いでしょう。
また、リラックスミネラルとも呼ばれる「マグネシウム」の入浴剤を活用するもの良いでしょう。
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42℃などの熱いお湯ではリラックスモードにならず、30分を超える長時間の入浴では身体の負担になる場合がありますので、ご注意ください。
寝る前の過ごし方
寝る前の過ごし方を重視する方も少なくないと思いますが、実は寝る前の過ごし方だけ頑張ってもあまり睡眠の質は上がりません。
夜寝るまでの過ごし方によって決まります。
そのことを踏まえて寝る前の過ごし方のポイントはこちらです。
- 寝具を厳選する
- 睡眠環境を整える
寝具を厳選する
全ての人に合う寝具はありませんが、選ぶ基準はあります!
それは、マットレスやまくらの「硬さ」です。
低反発などの柔らかすぎる素材は身体を支えることが出来ず、かえって疲れてしまう可能性が高くなります。
ある程度の硬さを備えていて、身体を支えて安定させることが出来るものを選べると良いです。
枕を変えるだけで、睡眠の質が変わるとしたら、 それほどお得なことはありませんよね。
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睡眠環境を整える
部屋の明かりやテレビ、パソコン、スマートフォン、ゲームからの光刺激は、前述した時計遺伝子が乱れる要因になり、睡眠リズムへの悪影響があります。
さらに、交感神経が優位になることで睡眠の質が低下します。
光や音によって寝ている間の睡眠の質は低下してしまうため、遮光カーテンで出来る限り暗くし、遮音のために耳栓を活用するのもおすすめです。
慣れるまでは気になってしまうかもしれませんが、慣れてしまえば手軽な快眠グッズとして活用できます。
ちなみに、ブルーライトをカットする眼鏡により、目の負担軽減や睡眠の質を改善する効果は期待できないかもしれない。という研究結果が2023年に発表されました。
ブルーライトカット眼鏡を付けているからといって安心せず、パソコンやスマホなどの作業時間を減らした方が現実的に良い方法だと考えられます。
寝付けない人がやりがちなNG行為
入眠のために、慢性的に「お酒」や「睡眠導入剤」を使用することはやめたほうが良いでしょう。
どちらも睡眠の質が低下してしまいます!
また、最初は少量のお酒や弱い睡眠導入剤で入眠できるようになると思いますが、使い続けるとお酒の量が増えたり睡眠導入剤を強くする必要が出てきます。
そうなると、さらに寝付けなくなってしまうことや睡眠の質が低下して、寝ても疲れが取れないという負のループに陥ってしまいます。
日常生活を整えつつ、どうしても眠れないときは「一時的に活用する」という方向性が良いでしょう。
最も大切なのは「日常生活」です。
まとめ
少し長くなりましたが、1日の流れで睡眠の質を上げる方法を見ていくことで、具体的にどうしたら良いかイメージできたのではないでしょうか。
一度乱れてしまった生活習慣や生活リズムを整えていくにはどうしても時間がかかります。
全てを実行することが出来なくても、少しずつ生活を整えて半年後や1年後の変化を目指しましょう。
一番大切なのは継続することです。
最後までご覧いただき、ありがとうございました!